12. 日系企業は人件費を30〜50%余分に払っている 序

 日本でも中国でも、中国事業の厳しさや先行きの不透明さについて見聞きする機会がとても増えました。ただ今回の事態は、中国ビジネスの問題点よりも、中国ビジネスの重要性を浮き彫りにしているケースの方が圧倒的に多いように感じます。

 ということは、中国で生き残ることを前提に、どう厳しい時期を耐え過ごすか、どうぜい肉を落として身軽で健康な体制とするかを考えなくてはなりません。当然、人件費も大きなターゲットになるはずです。

 私がセミナーや講演でもう何年も前から話していることですが、日系企業の多くは、3050%は余分に人件費を払っています。この50%という数字も、それ以上だとかえって現実味が薄らぐために言っていることで、本当は倍、それ以上払っている会社も存在します。

 断言する根拠は、赤字で継続を断念した会社の清算撤退を引き受ける際、従業員と離職条件の交渉をしていて赤裸々な話を聞く機会があるためです。条件交渉がまとまると、彼らは一気に気が緩み、会社への遠慮や駆け引きももう不要なため、いろいろなことを語ります。

 印象に残っているのは「俺の口から言うのもなんだけど、そりゃこの会社潰れるって。だって、俺たち定時内に仕事をしていたのは正味半分ぐらい。あとは携帯見たり、バドミントンや卓球をやっているヤツもいたりしたな。仕事が残れば平日残業は割が悪いから休出で片付ける。こんな状態で、誰も何も言わなかったんだぜ」という述懐です。

2019.03 BizChina誌

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