振り返りたいセミナー・紙上再録

予防注射と蕎麦屋の出前

組織改革を行う上で重要なのは準備段階です。

実際に改革を始める前の仕込みで勝負は半分
決まっています。

例えば、会社の表も裏も知り尽くしている社員に
やめてもらわなきゃいけない時。私たちが支援に
入る場合、まずこんな感じの話をします。


これからいろいろな相手と駆け引きに入ります。
そうすると、こんなことが起こります。

労務担当の社員を脅す。「こんな内容をオレは
握ってる、本社にバラすぞ」と経営者を脅す。
「中央の視察団が通る道沿いのビルから飛び
降りてやる」と騒ぐ…などなど。

脅しや攻撃、あることないこと言って本社に泣き
つく、自分は不当に解雇されようとしているから
助けてほしいと陳情メールを全役員にばらまく。

実際、こういう相手を何度も見てきました。

ただ、これらは全部「よくあるパターン」です。

相手は現実を受け入れたくない、または、できる
限り会社から金をぶんどって辞めたいと考えて
いるので、思いつく限りの抵抗をします。

皆さんはそれに乗っかっちゃダメです。冷静に
対処してください。それから、本社にも事前に
言っておいてください。

「こういう社員とこういうことがあったので、
こういう対処をします。その過程で、もしか
したら本社にこういう連絡が入ったり、本社から
見ると『おいおい、大丈夫か』ということが
あったりするかもしれません。

しかし、これらはすべて想定の範囲内。ある意味
正常なプロセスです。最終的にはこう収束させ、
こう終わります。

いまマズいのは動揺して『待て待て、話を聞こう
じゃないか』と相手の動きに乗ってしまうこと
です。

これをやると相手は勢いづき、がんばってゴネる
気になります。落とすべきところに落とせなく
なりますよ」

このように、先に本社や、後ろから弾を撃って
きたら困る人たちに予防注射を打っておけば、
実際にそういうことが起きても「やっぱり出て
きたねぇ!」で終わりです。

ところが予防注射を打たず、「これから処分
します。大丈夫です、現地の方でやります」と
やってしまうとどうなるか。

本社にブラックメールが来るわ、役員に泣きが
入るわ、客先にあることないこと内部告発風の
メールやFAXが送られるわ…という相手の攻撃は
大きな効果を上げます。

大騒ぎになり、本社や上層部から「おいおい何を
やっとるんだ」「強引なやり方をしとるんじゃ
ないか」「早く穏便に済ませろ」などと弾が
飛んできます。

こうやってから慌てて「今から対応するところ
です」「これも正常なプロセスですから安心して
ください」などと言っても蕎麦屋の出前、信用
されません。

「現地に任せておけない。お前らは手を出すな。
本社で預かる」なんてことになると、相手の思う
つぼ。相手ペースにはまります。

今回の相手や社内の問題児予備軍は、騒げば
本社を引きずり出せる、本社を引っ張り出せば
和解金を釣り上げられると学習します。

こうなると、現地経営者が規律確保することは
もはや困難。底が抜けた状態となります。

最悪の場合、ダメなものはダメと規律を正した
改革リーダーに失敗の烙印が押されたりして、
彼らを潰してしまいます。

同じことでも、事前に仕込むのと、事後に対応
するのでは天と地ほどの違い。改革を起こす前の
準備は本当に大事です。

(2019年9月10日 JETROミニ勉強会より)

海外拠点の一つでも、現地社員には自分の会社

駐在員の立場からすると、日本も中国もインドも
なく、グローバルな展開をしている自社があり、
その海外拠点の一つに自分が赴任してきたという
認識だと思います。

ただ、現地で採用され、恐らく現地で定年退職を
迎える社員にとっては、グローバルなグループの
一員と言われても、正直、ピンとこないです。

それより現地社員にとって重要なのは、自分たちが
所属しているこの現地拠点の未来と将来性。

「ここで頑張っていったら、どんないいことが
あるんだろう」

これの方がよっぽど切実です(これがすべてと
言ってもいいかも)。

彼らの気持ちに寄り添って、彼らに理解できる
メッセージを発していかないと、共感は生まれ
ませんし、皆さんの話に耳を傾けてくれません。


駐在員の皆さんは、まず現地側に立つべきです。
そして、現地拠点は本社から自立した存在であると
社員たちにメッセージを発しましょう。

例えば北京法人を預かっていて、同じような機能の
会社が世界に五拠点あるとしたら、

「我々(北京)は残念ながらここ数年はビリが
定位置だった。しかし、三年後にグループ内で
世界トップに立つぞ!」

「我々はこれを挑戦目標として、我々を散々批判
した本社の連中に参ったと言わせるぞ」

「我々は顧客への貢献、グループ業績への貢献
だけでなく、地域社会にこのような貢献をして
いこう」

などと、現地拠点を主人公・主語として話します。


企業グループとして、みたいなビジョンや目標を
示されても、現地社員たちには遠すぎて意味が
わからない。当然、関心や共感も湧かない。

それに貢献したとして、自分たちにどんないい
ことがあるのかもよくわからない。

ですから、まずは自分たちの船(=現地組織)が
どこに向かうのかを示す。こうなったらいいよね
と思えるものを提示する。

本社からの独立とか反旗みたいな話にするのは
やり過ぎですが、皆さんには、現地のリーダーと
して、現地のための施策、現地の皆さんに響く
メッセージをつくり、語っていただきたいと
思います。

(2019年9月 JETRO北京ミニ勉強会より)

辞めてくれたらホッとする

組織の新陳代謝が滞り、上の層が動かなくなると
何が起こるでしょうか。

若手社員が「正当に評価されて新しいことに挑戦
したい」「この会社で仕事が認められたら10年後
にはどうなるだろう」と考えて自社の組織を見る。

部長が45歳、課長が38歳、係長が32歳…。

部長が定年まで15年。それまで自分が課長以上に
上がる可能性はほとんどない。

この会社では、序列を飛び越えることはほとんど
ないので、係長が引退しない限り、自分に部長は
回ってこない。約30年か…。

定年年齢があがればそれ以上。いまから頑張って
仕事を続けても、30年は誰かの下で順番待ち。

目標意識が高い人、自分に自信のある人は、とても
待っていられませんよね。こういう人ほど早く
見切りをつけて会社を去っていく。

または「あくせくしたって、年数を消化しないと
上がれないんだし、それなりにやっとくか」と
成長を止めて悪い方に馴染んでしまう。

このまま5年、10年過ごすと、もともと成長性や
能力があっても、もう取り返すことはできません。

こうして負債化した社員は辞めず、どんどん
増えていきます。

優秀な社員には見切りをつけて逃げられてしまい、
負債化した社員はどんどん溜まっていく…。


こういう話をすると、皆さん「本当は手をつけな
きゃいけないんだけどね」とため息をつきつつ、
「でも、解雇するほどの問題があるわけじゃない
からね…」で終わってしまいます。

では、辞めてもらった方がいいかどうかは、どう
見極めるのか。

私は、非常にシンプルな方法を、ジム・コリンズの
『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(日経
BP)という本で学びました。

皆さん、自社で扱いに悩んでいる社員をイメージ
してみてください。

ある日、彼/彼女がやってきて「小島さん、相談が
あります。実は以前から親の体調がすぐれなくて、
そろそろ介護が必要になってきた。急で申し訳ない
けれど、今月末で退職させてほしい」と言った。

この時に「ちょっと待って!在宅でもいいし、フル
タイムじゃなくていいから、少なくとも若手が育つ
まで仕事を続けてよ。勤務形態は柔軟に考えよう」
と本気で声をかけるか。

それとも【正直ほっとする】か。

これが分かれ目だそうです。

後任探しや引き継ぎなど、実務への影響はいろいろ
面倒なものの、本人から申し出てくれて正直ほっと
する自分がいたら、それはいますぐバスから降りて
もらうべき社員なのです。

(2019年9月 JETRO北京ミニ勉強会より)

食パン・キノコ・雪だるま

食パン・キノコ・雪だるま…。
何のことか、分かりますか。組織の形です。

役職階層で組織図を作って実際の人員を置くと、
普通はピラミッド型になります。

ところが、食パンみたいに、四角形の組織図に
なってしまう会社があります。

これは、どういうことかと言うと、

一定の年数が経ったら社員を(半ば自動的に)
昇格させてしまう。

その結果、担当レベルの仕事しかしていないのに
係長や課付き課長みたいな役職者がどんどん増殖
する。

担当クラスの仕事で役職者並みの給与をもらう
人がごろごろしているため、新規採用を絞る。

…結果、上から下までずん胴のような組織に
なってしまう。ということで「食パン型」の
組織ができあがります。


こんな話を経営者の方としていたら、その方が
ポツリ。

「それで言ったらウチはキノコ型だよ…」

この会社は業容の急拡大期に、将来を見越して
人員を大量採用しました。

大量採用組は昇格・昇給で上にあがっていき
10年以上経ってベテランとなりました。
等級的にみても年齢的にみても圧倒的に太い層を
形成しています。

この時期に将来の業容拡大まで先取りして採用
したため人手は飽和、その直後から採用を大きく
絞りました。

大量採用の前はある程度ピラミッド型を維持して
いたため、上半分は裾野が広いピラミッド、
下半分は急に細ってそのまま伸びた形。
まさにキノコです。


現地化を進めて、もう日常業務は現地幹部に
任せているという会社でよく見られるのは、
「雪だるま型」です。

初期に入社して、最初にポジションを得た幹部は
ずっと動かない。ところがその下、次世代を担う
はずの層がごそっといない。

さらに下の1〜5年目くらいの若手社員は一定数
いる。

つまり、入社しても5年目ぐらいで抜けてしまう
ので、真ん中の層がくびれている。階層別や
勤務年数別の組織構成で見ると、8の字のような
形になっています。雪だるまです。


いずれも見てわかる通り、健康な姿ではないです。
このような組織では、無駄なコストのぜい肉や
重しが組織の体力を奪い、加速を阻害します。

私の見る限り、大多数の日系企業は
【3〜5割は余分な人件費を払っています】。

重要なことなので繰り返しますが、日系企業は、
余計な人件費を3〜5割も払い続けています。

私だけかと思ったら、台湾系のオーナーも同じ
ことを言っていたそうです。

この会社が日系法人の買収を検討していて、
台湾人トップが視察に来た時のことです。

一通り回って、だいたい値踏みした後、酒の席で
ポロッと「自分が経営権を握ったら、すぐに3割は
コストを落とせる」と言っていたそうです。

見方によっては、それぐらいスリム化の余地が
あるということです。

(2019年9月 JETRO北京ミニ勉強会より)

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