空港の光景変化に見る社員管理のヒント

この稿を書いているのは七月下旬。日本から天津に戻ってきた日です。最近は天津航空を使うことが多いのですが、今回は荷物の都合で許容数の多い中国国際航空にしました(そう、あのCA。でも単独の出張でなければ法則は発動しないので、家族と一緒の今回は順調でした。客あしらいは、やっぱり最低でしたが)。

ここ五回ほど、異なる便、異なる曜日にチェックインカウンターや搭乗口で観察してみて気づいたのは、中国旅行客の日本でのマナーが劇的に変化していること。わずか一年ほど前は、カウンター前でちゃんと並べず、押すな踏むなの大騒ぎ。あろうことか、ツアーガイド同士が順番争いでつかみ合いまで始めたのを見た日にゃ、目の前が暗くなりました(そんな時は「あぁ今日もここだけ中国になっている」とつぶやいて感情を消す練習をしたものでした)。

土産物屋の付近などでは、「%#&くぁいぐおらい!くぁいや!!(%#&=相手の名前、早く来い!早くしなって!!)」などと、中国以外の人が見たら、どう考えても怒号か悲鳴にしか聞こえないような声を張り上げる。給湯器周辺はインスタントのラーメンや焼きそばで発生したと思われる残骸が散乱。最後は搭乗口の行列ができる際、団体で「こっちへおいでよ」などとやるので、自分の前の行列がどんどん長くなる怪現象や、「あれも買ってって言ったでしょ! 何やってんのよアンタは。計画が台無しじゃない!」と、せっかくの旅行の余韻を台無しにてマジギレ喧嘩を始める夫婦などが定番でした。

ですが、ふと気づくと、どれも無くなっているじゃないですか。静かな行列。穏やかな会話。給湯器を使ってカップ麺にお湯を入れるのは私ぐらい(今回、人生はじめて空港でカップ麺をつくってみました。コンビニで見かけた天ぷらそばがおいしそうで……)。もちろん、たまたまが五回ぐらい重なったという可能性もあります。でも、以前は100%の遭遇確率で「ミニ中国」だったわけで、間違いなく変化はしたと思います。

もう一つ。この変化は、中国系航空会社の飛行機に搭乗した瞬間から消滅します。やっぱりそこは中国。ということは、日本に来ている人種が入れ替わったということではなく、日本での振る舞いが変化したということになります。

これはなかなか興味深いことで、知的好奇心が刺激されます。いくつか変化の理由を考えてみました。

  • 最近の天津や大連からの旅行客は、リピーターばかり(天津便とは異なる時間帯に、以前と同じ光景が存在しているのであれば、この仮説は有望)。
  • 海外旅行慣れして、海外での振る舞いを調整する人が増えてきた。
  • リピーターが、観光や買い物だけでなく、日本の文化面にも興味を持ったり評価したりして、自分も日本にいる間は、それにあわせてみよう(あわせずにいる人たちと同一視されたくない)と考えるようになった。

どれかということではなく、全部あてはまるのかもしれません。皆さんはどう思われますか。

しかし、いつも書きますが、中国の人たちの変化スピードや変化適応力は本当にすごいです。可塑性が高いというか現金というか、これって日系企業内の「もう十年も同じことを言い続けているけれど、いまだに徹底できない」という話と対照的ですよね。この変化適応力を活かせたら、教育やルール徹底ってずいぶん楽になるんじゃないかと思います。

そこで活きるのが、日本の継続的改善。チェックインカウンターの例で言えば、中国客の変化と同じように私が一目置いたのが、カウンター側の対応の変化。最初は押し寄せるアジア客の量とマイペースぶりに適応できず、かなり摩擦や疲弊が生じていましたが、徐々に対応ルールを調整し、最近は余裕を持って対応しているように感じます。これは現地の管理や教育でも学べそうですよね。

2017.08 Jin誌

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