【2018年05月刊】駐在員を教育するぐらいなら現地社員を教育せよ?9

私は毎月、天津と関空を往復しています。CA(中国国際航空)や春秋航空も毎日便がありますが、乗るのはほとんど天津航空です。春秋航空は時間帯が悪く、以前試してみたころは遅延も多かったので敬遠。CAは私の半私信レターを読まれている方はご存じの通り、単独のビジネス移動では絶対に乗らないと決めているので同行者がいない限りパス。天津航空は着いてからの予定を入れられる時間帯のよさが理由で常用しはじめました(まぁ狭い機内、最小限のサービス、リーズナブルな価格は三社どこを使っても似たり寄ったりでしょ、という感じで)。

ところが、どうせLCCみたいなもんでしょ、と舐めていた天津航空が、どんどん進化しています。乗り始めて間もないころから、定時運行にかける気合いを感じて「あ、これは他と違うな」とは思っていました(CAなんて遅延するだけじゃなくて、情報は隠すし、詰め寄る乗客に逆ギレするし、数々のできごとを思い出すだけでも腹が……以下略)。ほぼ毎回の定時運行だけでも感謝ものですが、今年から大型機体を使うようになりました。3-3の席が2-4-2に。これで圧迫感は大きく改善されました。それまで客室乗務員による実演が中心だった(単調でちょっと退屈な)安全の案内は、天津の名所案内を兼ねたユニークな安全ビデオに変わりました。LCCなみの価格で映画やドラマなど個別端末のサービスが充実。マイレージ会員向けのサービスも中国系キャリアとは思えないレベルに上がりつつあります。

正直、「この価格でここまでやるのか」と思うくらい。何が彼らの原動力となっているのか、かなり気になりますし、注目しています。まだ使ったことがない皆さん、機会があれば試してみてください。

 

前回は、駐在難度が上がっている。では難度が上がっている駐在員の仕事にどう対応すればいいのか、どう駐在員を支援すればいいのか、という話をしかけたところでした。

最低目標ラインは脱落させないこと

駐在員として仕事を全うするとはどんなことか考えると、「期待された役割を(期待された以上に)果たし、後任者に確実にバトンを渡すこと」だと思います。これを目指すべきゴールとすると、そこに至るまではいくつかの段階があります。

●駐在員の目標段階

①脱落しない
②バカにされない
③親近感を持たれる
④信頼・尊敬される
⑤後任者にしっかりつなぐ

このコラムを読まれるのは、若手駐在員さんよりも経営者やベテラン駐在員の方が多いと思いますので、ご本人ではなく、駐在員を受け入れて支援する側の目線で書いていきます。

最初にクリアするべき目標は「①脱落しない」です。あまりに低い要求で意外でしょうか。しかし、ここで言う脱落を、任期途中の残念な帰任だけでなく、「部下や周囲からバカにされて、組織における役割を全然果たせない」まで含めると、笑って流せるほど少ない話ではありません。ここでつまずく駐在員がいると、経営者にとっても、現地の部下にとっても、本人にとっても大きな損失です。経営者は本人の仕事を肩代わりする羽目になっているでしょうし、いろいろな計画も後退を余儀なくされます。部下や本人にとってのマイナスは説明不要でしょう。

では、脱落させないためのポイントはなにか。「生活を整えること」と「初期に致命的な地雷を踏ませない」ことだと思います。

生活を整えるとは、暴食や偏食をしない。深酒を控える。夜更かしして遊びすぎない。オフに部屋へ引きこもらない……いいオトナにこんな世話を焼かなきゃあかんのか、という基礎的なことです。

2018.05 Jin誌

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