時代変化に適応する駐在員…社内世論は非常に大事

これを書いているのは、珍しく日本と中国の連休が重なった九月下旬。国慶節とつなげて大型連休にした日系企業もあるためか、天津空港の国際線ターミナルは、大勢の日本人だけが視界に入る珍しい光景です(そういえば、中国人の海外旅行ブームが始まる2010年ぐらいまでは、いつもこんな感じでした。名古屋便もがらがらで、経験した最少人数は私を入れて五人!便の存続を心配したものでした。その後の変化が大きすぎて、遠い昔に感じます)。

さて、ここしばらく書いてきたことを整理します。

□中国の事業環境は大きく変化し、駐在員の仕事難度はかつてなく高まっている。同時に、すでに始まっている環境変化に対応するためには、駐在員が果たすべき仕事が非常に重要である。

□駐在員が求められる役割を発揮するためには、

①脱落しない
②バカにされない
③親近感を持たれる
④信頼・尊敬される
⑤後任者にしっかりつなぐ

このうち最低③をクリアし、④⑤に至る必要がある。

これらを踏まえて、①と②をクリアするために必要なことまで書いてきました。①②は言わば前提条件であり、③からが本番。サブタイトルも新装し、話を続けたいと思います。

社内世論をなんとなく味方にするのは大事

自分の仕事を全うするため、従業員たちに親近感を持ってもらう必要がある。こう書くと、「私は痛みを伴う改革をミッションとしてやってきた。嫌われ者になっても果たすべき仕事だし、むしろ心を鬼にしないとできない課題だ。中途半端に親近感を持ってもらおうとするべきじゃない」と感じる方もいるかもしれません。

改革を断行するのであれば、このような覚悟は必要です。そして、このような覚悟を必要とする改革を成し遂げるためには、やはり私の言う「親近感を持ってもらうこと」が必要です。

この親近感とは、仲良くなることではありません。まだ信頼関係を築くほど一緒に仕事をしていない段階で、部下たちにとって損か得か分からない新しい取り組みについて説明するような場合に、「またコイツも変なことを言い出した。どうせ本社の都合だろ。三か月も持たないで立消えになるだろうから、しばらく放っておこう」と取られるか、「よく分からないけど、この人が言うなら私たちをおとしめるような話ではなさそうだし、とりあえず聞いてみるか」と感じてもらえるかの問題です。

この親近感があるかないかは、改革にとって致命的に重要です。なぜなら、従業員が皆さんに親近感を持っている状態とは、言葉を換えると、社内世論がなんとなく皆さんに味方する状態ということだからです。逆に言えば、親近感がないと、それが真面目な従業員たちのための改革であっても、「本社(経営者)の都合のために、自分たちの利益が奪われるんじゃないか」と受け取られます。

痛みを伴う改革で、最初から大多数の従業員が理解してくれる、支持してくれるということは、残念ながらありません。しかし、大多数の従業員が中立(日和見)の立場でいてくれれば、改革は成功させられます。積極的抵抗者は、通常、全体の5%(500人の組織なら、20〜30人)もいません。彼らだけとの局地戦で済むか、彼らの煽動に乗って300人の従業員がストライキやサボタージュに出るか、難易度は火を見るより明らかでしょう。

なお、この親近感を持ってもらうのは、組織が大きいほど、そして皆さんの立場が高いほど容易です。つまり、大きな改革のリーダーになる人ほど有利です。次回は、親近感を持ってもらうための実践策について考えてみましょう。

2018.10 Jin誌

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