時代変化に適応する駐在員…リーダー術 呉起の生涯

最近、日本の学生さん向けに話をする機会がありました。経営学部の2〜3年生が中心で、先生からは「まったく海外の実情を知らない学生向けに、中国ビジネスの実際に触れるような内容で」とお題をいただいての登壇でした。

先生は事前に「なかなか興味を持って講義に集中するのは難しいかもしれませんが……」と言われていましたし、講義開始前の様子を見ていても、(失礼ながら率直に書くと)「あ、確かに」と感じる状態でした。まだ中国に渡る前、ある大学で登壇した際、雑談がひどくて静まるまで五分ほど黙って立っていた経験を思い出しました。

ところが、話を始めて数分で皆さんの表情が変わりました。雑談はゼロ、居眠りもほとんどなし。終了後の質疑は、時間オーバーになるぐらいまで続きました。しかも「いいポイントですね」と私が応じるような内容で。私の経験では、仕事人向けの登壇でも、テーマに直接関わる参加者層でなければ、ここまで熱心に聞いてもらうことは少ないです。

先生に伺うと、謙遜も含まれているでしょうが、これだけ熱心に参加するのは珍しいとのことなので、学生さんの真面目さが他校と大きく違うことはなさそうです。もちろん私の話術など大したことはありませんし、他と変えたわけでもありません。

ただ、実はひとつ、新たな話を加えていました。「海外ビジネスと、そんなことに接点や関心のない学生(数年後の新仕事人)の密接な関係」を示すことです。海外志向があろうとなかろうと、そういう職に就こうが就くまいが、向こうの方から皆さんの領域にやってくる。そんな時代の準備をせず漫然と就職したりすれば、誰かがつくった渦に巻き込まれることになる……という話を最初にしました。

もし、これが熱心に聞いていただいた理由の一つだとすると、私はそんな彼らを頼もしく感じますし、先輩仕事人である我々の役割は非常に重いと思います。彼らはリアルな仕事の世界に関心を持てるし、自分との関係さえ認識できれば海外ビジネスにも興味を持つ。目の色を変えるかどうかは我々次第、ということです。これから仕事人になっていく若い皆さんたちとの交流機会や情報提供機会を増やしていきたいなと思います。

 

さて、歳月を要するリーダー道ではなく、まねようとすれば今日からでも実践できるリーダー術の話。人間力ではなくテクニックで部下の絶大な信頼を得た顕著な例が、天才兵法家であり政治家でもあった呉起です。彼の話を見てみましょう。

呉起は紀元前400年ごろ、中国の戦国時代の人。軍人・兵法家として圧倒的な強さを発揮し、現代になお名を轟かせていますが、人間性は褒められた人ではありませんでした。

まず、若い頃に仕官しようと各地を回ったものの、仕官先が見つからないまま家の財産を使い果たし、それを馬鹿にした故郷の人を殺害したと言われています。それが後ろめたくて母の葬儀に戻らず、師である曾氏から破門されました。

その後、魯で見いだされましたが、妻が斉人(斉は大国で魯が警戒する相手)であることに懸念が示されたため、なんと、妻を殺害して懸念を払拭しました。しかしこれが呉起の人格に対する不信感を招いたこともあり、結局、魯を離れて魏に向かいました。その後も、軍事では圧倒的功績を挙げつつ、貪欲で素行が悪いと評され、政治では政敵を生み、恨みを買い、最後は楚で反呉起派に殺害されて生涯を終えました。

●駐在員が求められる役割を発揮するために必要なこと
①脱落しない
②バカにされない
③親近感を持たれる
④信頼・尊敬される
⑤後任者にしっかりつなぐ

●相互信頼・尊敬のために
□リーダーの実力を示す
□現場に寄り添う

2019.12 Jin誌

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