時代変化に適応する駐在員…相互信頼・尊敬のために まとめ

北半球は気温の上がる五月になりました。にも関わらず、変異株の強い感染力のせいか、経済や生活とのバランスで強い対策が採れないせいか、新型コロナは世界で猛威を振るっています。日本の庶民感覚では、東京オリンピックや聖火ランナーという言葉が、「コロナ克服の証」や「希望の象徴」ではなく、「懸念」や「抵抗感」を感じさせるものになってしまっていることが残念であり、寂しいです。

昨年の開催を延期した時点では、まさか海外から日本への流入ではなく、諸外国が日本での感染・日本からの流出に懸念を示すようになるとは、想像しませんでした。

そんな状況と比較して、中国では集会や宴会を抵抗感なく開ける。国内は気軽に旅行できる。時を経るにつれ、感染対策のレベル差がより鮮やかになっています。

私は、いま中国にいる皆さんは、明治時代に訪欧した人たちと同じではないかと思います。日本ではコメンテーターや識者たちが政府の対策を批判していますが(批判ばかりでもう一年……)、中国にいる皆さんは、感染対策ができている状態を日々体感しています。これは日本で米欧を論じていた人たちと、実際に米欧へ行ってみた人たちのようなもの。埋めがたい認識差があるでしょう。これからの日本が何をどう学んだらいいのか。それを知っているのは、この時代の中国を体感した皆さんかもしれません。

さて、しばらく書いてきた「社員たちと相互信頼・尊敬に至るためのポイント」、これで一段落です。最後にいままでの内容を振り返ってみましょう。

受注力でも本社への影響力でも工場運営力でもいいので、この人についていった方が得だと思わせる(リーダーとしての実力を示す)。ただ、豪腕でも部下に対して苛烈で理不尽だと、いつかリーダーの座から転げ落ちるので注意。

日本人同士・幹部とばかりではなく、むしろ普段の仕事では直接やり取りしない現場の担当者たちに自ら声をかけ、一緒に食事をし、彼らの話に耳を傾ける(現場に寄り添う)。実力を示した人がこれをやると相乗効果絶大。

教育や警告をしても従わない者・ボスの権威に挑戦してくる者には、他の社員たちが「同じ目には遭いたくない」と思うような厳罰を一気に下す。これにより一瞬で社内の空気を引き締め、無用な戦いがズルズル散発しないようにする(一罰百戒を使いこなす)

全社を挙げて向かうべきビジョン・挑戦目標を掲げたら、トップ自身が本気で追う姿を見せる(大義名分に本気を見せる)

お互いの言語力に関係なく、筆談も活用しながら直接対話していく。漢字を使える日本人にとって使わない手はない距離を縮める手段(直接対話する)

重要なのは、これらは皆さんの資質や性格とはあまり関係ないこと。やると決めたら、あとは準備とやり方の工夫だけ。誰でも実行可能です(懸念のある方は、事前にご相談くださいね)。

ただ、物事には手順があります。まだ現地の社内状況が把握しきれておらず、基本的な人間関係もできていない段階で、いきなり一罰百戒やビジョンの全力追求をやると、社員がついて来ず空回りする恐れがあります。まずは地雷を踏まない・バカにされないというステップをクリアし、親近感を持たれる努力をしながら、さらなる関係づくりを進めていきましょう。

駐在員が求められる役割を発揮するために必要なこと

①脱落しない
②バカにされない
③親近感を持たれる
④信頼・尊敬される
⑤後任者にしっかりつなぐ

●相互信頼・尊敬のために
□リーダーの実力を示す
□現場に寄り添う
□一罰百戒を使いこなす
□大義名分に本気を見せる
□直接対話する

2021.05 Jin誌

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