新型コロナウイルス感染症関連
給与支給が通常通り行えない場合の対応

小島です。以下は、2/6に会員レターでお送りした内容です。
この一週間弱で、政府から新たな通知や指導意見が出ている場合もありますが、原則的なこととして共有します。

また、今回の内容は、担当者が出社できないなど、実務的に難しい場合を想定していますが、経済的に通常の給与支給が困難な場合は、別に検討可能なこともありますので、必要に応じてご相談ください(初期相談で費用をいただいたりはしませんので、ご安心ください)。

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今回は、新型肺炎による出社困難などにより給与支給が遅れる場合、どうなるか、法的リスクはあるのかについてお送りします。

Q:疫病の関係で給与の支給が遅延となった場合、「理由なく労働者の賃金を滞納した」に該当しますか?

A:現時点では、企業が疫病防止のために業務再開を延期した場合、給与も支給を延期可能というような規定がありません。給与の延期支給について下記のいくつかの面から分析します。

□労働部が公布した《工資支付暫行規定》より
・給与は雇用者と労働者が約定した日に支給しなければならない。
・法定休暇または休日の場合、その直前の営業日に前倒しして支給する。
・給与は最低でも月一回支給とする。
・雇用者は一部を控除したり理由なく労働者の賃金支給を遅延してはならない。

□労働部が公布した《対「工資支付暫行規定」有関問題的補充規定》より
・「理由なく支給遅延する」とは、雇用者は正当な理由なく約定した給料日を
過ぎても労働者の給与を支給しないことを指す。以下の情況は含まない。
(1)雇用者が人間の力で対抗できない自然災害、戦争等の理由により時間通りに給与を支給できないこと

□《民法総則》第180条の規定より
・不可抗力により民事上の義務を果たせない場合、民事責任を負わないものとする。
・法律に別途規定がある場合、それに従うものとする。
・不可抗力とは予見・回避不可能かつ克服できない客観状況のことを指す。

●今回の件における実例

□2020年2月2日、中国貿易促進会は疫病の影響で期日通りに契約履行できない浙江省湖州市のある自動車部品メーカーに、全国初の「新型コロナウィルス肺炎不可抗力事実証明書」を発行しました。その内容は業務再開が先送りされた事実を証明するものでした。

□また2月3日、広東省中山市貿易促進会は、広東長虹電子有限公司に「新型コロナウィルス肺炎不可抗力事実証明書」を発行しました。


以上に鑑み、疫病によって生じた休みの延長および勤務再開の先送りは、企業が予見・回避不可能かつ克服できない客観状況であり、「自然災害」、「戦争」によって契約履行が遅延されることと同じレベルの「不可抗力」だと、政府機関も認める可能性があります。

この状況では、会社は勤務再開が先伸ばされることによって給与を時間通りに支給できなくなった場合、その責任を負うことがなく、「理由なく滞納する」にも該当しないと思われます。

ここでポイントとなるのは、政府がそれを公式に認めるかどうか、企業がそれを積極的に利用するべきかではなく、やむを得ず給与支給が滞ったとしても、上記のような理屈づけで従業員に当面の説明がしやすい、当局も直ちに何らかの是正を要求してくる可能性は低いことから、困難な場合は無理やり何とかしなくても大丈夫です、ということです。

ただ、業務再開すればこの事由は消滅しますので、なるべく早く(5営業日以内に)給与を支給することを推奨します。


ご不明点などございましたら、ご連絡ください。

小島、Crew一同

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