【pass Letter】#214 実務解説…離職者への賞与支給/TSRコラム

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pass Letter #214
発行:Dao and Crew (2021年6月11日)
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この【pass Letter】は、弊社の会員サービスをお使いの皆さんだけにお送りしています。

対象を限っているので、オープンな場では書きにくいような内容や専門的な内容も書いています。

突然このメールが届いて、「passって何?」という新任者の皆さんは、とりあえず【pass会員専用アドレス】までご連絡ください。

前任者の皆さんが、「がんばった社員が正当に報われ、バカを見ない組織」づくりをしようと戦ってきた歴史とともに、passの活用方法をお伝えする機会をつくらせていただきます。

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最前線へ赴く駐在者のお守りに。赴任前研修にも組み込まれています。

小島庄司著『中国駐在ハック』(日経BP)

www.amazon.co.jp/dp/4296105426/
www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/20/278140/
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小島です。

中国の日系企業では、年度計画絡みの仕事が一段落し、労使交渉中というところが多いでしょうか。

618に関わる業種では、きっといまが忙しさのピークですね。

日本は、西日本が記録的な早さ(5月中)で梅雨入りしたものの、空梅雨模様。関心事はワクチンとオリンピックに集中しています。

日程定表を見ると、7/21には女子サッカーなどの競技がスタートとあります。40日前の現在いまだに「開催か延期/中止か」が取り沙汰されているというのは異例というか異常というか。

ここまで来たら、どちらに転んでも「まぁこれでよかったのでは」と振り返ることができるように決着することを願います。

私自身は「どちらに決まっても批判・非難はしない」派。静かに成り行きを見守りたいと思います。

小島


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目次
【1】実務解説:事例紹介…離職した従業員に賞与を支給すべきか
【2】TSRコラム:1号社員の登用問題…ブラックボックス回避策(4)
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【1】実務解説:離職した従業員に賞与を支給すべきか
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夏季/冬季/年末賞与を巡るトラブルは、特に離職者との間で多発します。

今回は事例から、離職者と賞与をめぐるリスクを最小限に抑える方法を考えます。


●忙しい方向け超要約(15秒で読めます)
………………………………
□労働契約で賞与の金額を約定しない。
□賞与支給ルールを策定する。
□「支給日に在籍しない者には不支給」と明確に規定する。


●詳細な解説
…………………………………

■案件の概要
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当事者:李氏

李氏は2016年1月にA社に入社。
入社時に締結した労働契約で「年末まで勤務した場合は年末賞与の支給を受けられる」と約定した。だが賞与支給時期については明記していなかった。

2017年2月、李氏は一身上の都合で離職を申し出た。
離職時、李氏は会社が2016年の年末賞与を支給していないと主張し、支給を求めて仲裁に訴えた。

会社は、年末賞与の支給日はまだ到来しておらず、また、離職した従業員には年末賞与は支給しないと主張した。

■仲裁・裁判
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仲裁委員会は李氏の主張を認め、会社に2016年の年末賞与8,000元を支給するよう求めた。

■争点
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本件では、李氏の離職時の状況において、同年の年末賞与を支給すべきかどうかが争点になりました。

問題の本質は、年末賞与は労働報酬に当たるか否かという点です。

国家統計局が制定・公布した《給与総額の構成に関する規定》第3条および第4条では、給与総額とは労働報酬の総額であり、賞与は給与の一部分であるとしています。

また、国家統計局《「給与総額の構成に関する規定」の若干の具体的範囲についての解釈》第2条第1項では、年末賞与は賞与の
範疇であるとしています。

上記二つの規定から見ると、年末賞与は労働報酬の構成要素であり、雇用者はしかるべき時期に満額を労働者に支給すべきとなります。

加えて、本件の場合は、労働契約で「従業員が年末まで勤務した場合は年末賞与の支給を受ける」と明確に約定していました。

会社は支給時期が到来していないこと、李氏がすでに離職していることを理由に年末賞与の支給を拒絶しましたが、これは雇用者が自己の法的責任を免れ、労働者の合法的な権益を損なう行為と判断されました。

■企業管理へのヒント
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この案件で会社が敗訴した主な理由は、賞与の金額・支払条件を労働契約で明確に約定していたことだと思います(会社の規定には賞与の支給条件に関する記述がありませんでした)。

労働契約で賞与について約定したため、本人と紛争が発生した際、企業側が非常に不利な立場になってしまいました。

類似のケースで、従業員が年末まで勤務しなかったにもかかわらず、離職前の勤務月数に基づいた年末賞与の按分支給を命じられた判決もあります(これは「支給しない条件」を明確化していなかったためでした)。

一方、同じような状況で、本人の主張が支持されず会社の不支給が認められたケースもあります。

弊社では、社内規定や労働契約で、以下の点を助言しています。

★賞与の規定・約定に関する注意事項
□労働契約で賞与支給に関することを約定しない。
□「13薪」「14薪」「ダブルペイ」といった表現をしない。
□規定類で賞与に言及する場合、支給保障と取られる記載はしない。
□支給日に在籍しない者には賞与を支給しないと明確に規定する。
□賞与支給条件を規定する(会社業績・人事評価との連動など)。
□上記のような制度・規定の導入時には法的手順を踏む。

#13薪・14薪…月給13か月分・14か月分の意味


会社が賞与を支給する目的はいろいろあるでしょうが、今期の仕事に対する感謝と、これからもがんばってほしいという思いも入っているはずです。

離職する/した従業員にこのような思いは湧きませんので、いまさら辞めた人に支給したくないという気持ちはよく理解できます。

しかし、リスクを抑制しつつこのような対応をするためには、相応の準備・ルール整備が必要です。

上述のような対策を取っても紛争時のリスクを完全に排除することはできませんが、特に対策なく構えていると、支給せざるを得なくなる可能性が非常に高いです。

いま一度、社内ルールの確認をお願いします。


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【2】TSRコラム
   1号社員の登用問題…ブラックボックス回避策(4)
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小島の連載コラム「失敗事例を活かして勝ち残る…百戦負けなしの中国ビジネス」を、会員さんに添付でお送りしています。

掲載媒体は東京商工リサーチ発行の『TSR情報』。
中部版と近畿版に載っています。

日本の読者さん向けなので、中国で書くコラムとは違った切り口やネタも出てきます。

月2回、本レター添付で配信しています。バックナンバーが気になる方は、お気軽に声をかけてくださいね。

□コラム:Story024
・1号社員の登用問題…ブラックボックスの回避策(4)




●編集後記
…………………………………………………………
会員の皆様、こんにちは。Crewの崔紅梅です。

4月下旬に入社したばかりなので、編集後記を書くのは初めてです。

長い時間をかけて自分でテーマを考えましたが、最後に、帰国前の準備と国内での隔離生活を書くことにしました。

私にとって尋常ではない経験だったので、文字で記録しておきたいと思います。

私は3月末に日本から中国に帰ったのですが、安全のため、中国側から搭乗前2日以内のPCR検査とIgM抗体検査の提出を求められました。

陰性証明をダブルで取得し、緑の健康コードを提示して、やっと搭乗が許されました。

機内に入ってみると、他の乗客はみんなすごく厳重に防護対策をしていることに気づきました。

防護服にマスクをしている人もいれば、ゴーグルにマスクという人もいます。

2枚重ねのマスクだけの私がいちばん軽装備だったかもしれません(笑)

着陸後は、何組かに分けて飛行機から降り、体温を測り、もう一度PCR検査を受けました。

問題がなかったら、隔離ホテルに向かうバスに乗せてもらえます。

私の隔離ホテルは薊州にあり、毎朝窓を開けて外の新鮮な空気を吸うことができました。東側にはぼんやりとした山の輪郭が見えて、しばらく山を眺めていると気持ちが楽になりました。

隔離の途中でPCR検査を二度受けます。両方とも陰性なら、14日間で隔離は終わりです。家族に連絡して迎えにきてもらいました。

新型コロナは私たちの生活に大きな変化をもたらしましたが、今はワクチンを接種する人も増えてきたし、まもなく暮らしは正常化すると信じたいです。


#小島
崔紅梅は日本での仕事経験もあります(関空でオペレーション)。
もしかしたら、見かけた方もいるかもしれませんね♪

隔離体験は吉村も詳細に書き残しています。
https://www.daocrew.com/news-201207/(全部で6回)
基本的に、やり方はほとんど変化していないようです。

すでに何度も出境・入境を繰り返している猛者もいらっしゃいますが、初めての方は緊張やストレスがあると思います。誰かの体験記などをちらっと見ておくだけでも、だいぶ楽になるかもしれませんよ。

社内でこれから入境する方に伝えて上げてくださいね。


では、また次回!

小島、Crew一同



●about pass
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