仕事に「納得感」を求める若い人、増えてませんか。部下に「なぜやる必要があるのか」「もっとロジカルに整理してほしい」などと言われて辟易しているという話も聞きます。50代の私も若手に寄り添おうといろいろ工夫してきましたが、最近、考え方に大きな変化が生じました。
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近年、若い人たちを中心に、仕事に納得感を求める傾向が強くなっているのではないかと思います。
周囲にこんなことを言ってくる若手はいませんか。
「納得できません」 「それ、私の仕事ですか」 「ウチの部署の仕事ですか」 「範囲を明確にしてください」 「基準を明確にしてください」 「やる意義が分からないんですけど」 「効率悪くないですか」
さらに直球で「やりたくないです」
そんなヤツいないよという人は、この先はスルーして、そのままチームをいい方向に引っ張って行ってください。対応に悩んでいる人は続きをどうぞ。
こうした言葉で自身の納得を求めるのは若手だけではないかもしれません。年齢にかかわらず、こういう部下はいます。さて、上司はどう対応していけばいいのでしょうか。
私の助言はシンプルに「気にしない」。部下が納得しているかどうかを上司が過度に意識したり、気を遣ったり、仕事の振り方を調整したり、納得度を確認したり、そんなことまでやらなくて大丈夫。 ただ、「黙ってやれ」で済むほど乱暴な話でもありません。
少なくとも、部下に理解させるための努力や工夫は上司の仕事です。「なぜやるのか」「何をやるのか」「いつまでにやるのか」、できるだけ5W1Hを明確にして伝えるのは、上司として常に工夫・改善していかなければならないところだと思います。
一方で、上司からの指示を理解する努力・工夫は、本来、部下がすることです。理解する気がない、理解できていないことを放置している部下を何とかするのは上司の仕事ではありません。
分からないところがあれば誰かに聞く。聞いても納得できなければ、機会を改めて聞く。違う人に聞く。あるいは聞き方を変える。こういった工夫をしながら理解に努めるのは部下の仕事です。
この部分をていねいにサポートする上司もいます。素晴らしいことですが、責任はやはり部下にあります。
上司には、部下がどの程度まで理解しているかまでは分かりません。本人ではないから当たり前です。部下は「何が分からないか」を自分で把握し、解消に努める必要があります。
部下から質問されたら、上司は「そんなこと考えずにやれ」「まずはやってみろ」で突き放さず、できる限りの回答や補足をします。
ただ、急ぎの仕事なのに、業務の手を止めて確認ばかりしてくる部下には、話を遮って進めさせることも必要です。緊急性が高い場合でも部下が納得できるまで話をしなければならないわけではありません。
部下から確認や質問があったら、放置したりうるさがったりせずに、状況を見ながら何らかの形で対応する。ここまでが上司の仕事だと思います。
重要なのは、納得できたかどうかにかかわらず、部下は自分の仕事を遂行しなければならないということです。給料をもらっているんですから、自分の納得感とは関係なく、仕事はしなければなりません。
オーナーやフリーランスなら、仕事を選り好みするのは自分の責任であり権利です。でも、組織に所属し、労働契約を結んで働いている以上、「これはあなたの仕事ね」と言われたことは、納得度とは関係なく遂行するのがスジ。ここを間違えてはいけません。
もちろん、納得感があった方がいい仕事はできると思います。訳が分からないままこなしている人と、腹落ちして取り組んでいる人の仕事の質は、きっと同じではないでしょう。でも、最終的に腑に落ちるところまでを上司の責任にするのは違うと思います(納得させる努力は必要ですが)。
どんな組織でも、何らかの目的があって集まっているはず。「納得できないから今回はやらない」「意義が感じられないからモチベーションが上がらない」というのをいちいち認めていたら、組織は破綻します。
世の上司は、この部分で部下に迎合してはダメ。誰かが「納得できません」と言ってきたら、できるだけ工夫してフォローはする。でも、納得がいくまで立ち止まって向き合う必要はありません。納得感の有無と、「課された仕事をする」「アウトプットを出す」ということは別問題。やる気がなくてもやるのが、組織人の仕事です。
組織で働くということは、自分に任された役割があり、指示された仕事があります。それに対する気持ちは自分で整えなくてはなりません。少なくとも整える努力をして、自分から周りの人に相談したり、助けを借りたりするべきです。モチベーションも納得感も、仕事の遂行とは無関係。ここは線を引きましょう。
部下が納得しているかどうか、上司は過度に気にする必要はありません。それに振り回されていては、納得感に関わりなく自分の仕事を一生懸命やっている部下に対しても失礼だし不公平です。それはそれとして、自分の仕事はしっかりやってもらう。これが上司の適切なあり方だと思います。
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多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。 事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。