コラム

時代変化に適応する駐在員…ご馳走するなら効果的に

2019年07月23日
日本流が通用しない時代の組織経営

中国では春節が過ぎ、元宵節も明けました。天津など主要都市では爆竹や花火が市内全域で厳禁となったこともあり、本当に「らしさ」のない静かな年越しでした(どれくらい厳禁かというと、知り合いの派出所勤務の人に聞いたところ、たまたま車内に爆竹を積んでいるのを発見されただけで五日間の拘留を受けたそうです。鳴らして逃げた人たちは十五日間の拘留だったとも聞きました……)。

日本で静かに年越しするのは、厳かに改まって新年を迎えるという本来の文化であり伝統ですが、中国でここまで静かなのは、何というかどうも不自然で、調子が出ないです。例えていうなら、日本のクリスマスシーズンに街のクリスマスソングが一切ない感じ。昨今の景気の問題と相まって、感情を押し込めるような、落ち着かなさを感じてしまいました。

環境問題もあるので、爆竹復活を!などと言うつもりはありませんが、ここはIT大国。ぜひ環境負荷のない爆竹や花火を開発してほしいところです。賑やかな春節と低環境負荷は必ずしも対立するテーマではないと思いますので、また「らしい」春節や元宵節を迎えられるようになるといいな、と願っています。

さて、駐在員が時代変化に適応して役割を発揮するための話。親近感を持たれるための工夫について書いている途中でした。

せっかくご馳走するなら 親近感を高める工夫を

皆さんは部下を食事に連れて行っていますか。日本ではすっかり受けなくなりましたが、中国ではまだまだ有効です。といっても、「特定の人だけに偏らない」、「自分一人での食事がイヤで頻繁に連れ回したりしない」、「自分ばっかり楽しく過ごしてしまわない」などは日本と同じく当たり前。彼らを楽しませるために連れて行かなければ意味がありません。

ここまでは多くの方がクリアできていると思います(ドキッとした人は、すぐ改めましょう)。では、どんな店に連れて行っていますか。自分の行きつけで日本料理屋ばかりだったり、駐在員の自分が連れて行くんだからと中高級店を選んだりしていませんか。もしそうだとしたら、せっかくの機会がもったいないです。

相手の立場で考えてみてください。皆さんの上司がフランス人(アメリカ人でも)だったとして、東京や名古屋で毎回ステーキやフレンチの高級店に連れて行かれたら、どうでしょう。最初は嬉しいかもしれませんが、いつもだと飽きてきますよね。そもそも親近感は高まるでしょうか。下手をすると、かえって立場の違いを際立たせるだけかもしれません。

だから、あえてカジュアルな店にも連れていく。そんな店知らない? 大丈夫、手っ取り早くて確実な方法を使いましょう。部下たちに「さいきん、どんな店が人気なの? 次回はぜひそういう店でやろうよ」と頼んで予約してもらいます。彼らが行きたい店に行く(さっきの例で言えば、皆さんが行きたい焼肉屋や串カツ屋に欧米人の上司と行く。距離が縮まりそうじゃないですか)。肩の凝らない場でおいしいものを食べながら話す。財布はいままでより傷まないのに、距離感は縮まる。こんないい方法はありません。

●駐在員が求められる役割を発揮するために必要なこと

①脱落しない
②バカにされない
③親近感を持たれる
④信頼・尊敬される
⑤後任者にしっかりつなぐ

●親近感を持たれる工夫

□毎日こちらから声をかける
□中国語読みで名前を呼ぶ
□カジュアルな店で食事会
□ときどきおごられる
□部下に相談する
□人によって態度を変えない
□仕事には厳しいが横柄ではない
□身なりも言動も清潔感

2019.03 Jin誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。