コラム

23.人材獲得競争に落伍する時代が来る ④

2020年02月25日
人事労務は海外経営の基礎

いつ起きて、いつ仕事を受けるか自分で決められる自由なギグワーカー暮らし。若者にとっては魅力的なワークスタイルですが、逆に働かなければ何の保障もないため、自律できないと将来の発展性が描けないシビアな立場でもあります。

当然、行き詰まる人たちも出てきて、企業勤めを考えたりします。さて、日系企業はこの人たちを採用ターゲットにできるでしょうか。

・出退勤時間が決まっている
・通勤に時間がかかる
・制服や安全用具などの着用
・立ち仕事も夜勤もある
・他にも厳格な規律やルール

ちょっと考えれば分かる通り、ギグワーカーと日系企業(とくに現業系)は、もっとも相性が悪いとさえ言える関係です。

好きな時間に起きて、好きな時間に仕事をし、気分が乗らない日はパス。やかましいことを言う管理監督者などいない。気の乗らない研修や試験を受けさせられたり、偉い人の長話を聞かされたりすることもない。……こういうスタイルに慣れた人が、日系企業のやり方に適応するのは、相当大変だと思います。

こう考えると、ギグワーカー経験者が労働市場に戻ってきたとしても、彼らは日系企業の採用対象者にはなりません。採っても長続きしなかったり、本人にも会社にも相当なストレスがかかったりするでしょう。

少子化、ギグワーカーの増大、出稼ぎ労働者の減少などを考えると、ワーカー確保難の時代に入ることは間違いないと思います。

2020.02 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。