コラム

34.「95后」が主流の時代…社内で伝説&トラウマ化した事件も

2021年06月10日
人事労務は海外経営の基礎

新型コロナの猛威は2021年に入っても止みません。日本では緊急事態宣言が再発出され、世界各地でロックダウンや入国閉鎖が継続。このような状況下で中国は春節を迎えます。この春節をどう乗り切るかは、日本や世界経済にとっても剣ヶ峰。穏やかな「迎春」を願います。

前回は私が95后の若者を採用面接した際の体験を紹介しました。何人か採用してからは、上司や先輩の戸惑い、怒り、困惑が続きました。「先輩世代だったら、そこでそんな発想や行動はあり得ない」「自分だったら大汗かいて慌てふためいている」という局面で、先輩が驚くような行動に出てケロッとしている(「神戸出張事件」「誕生会事件」など社内で伝説&トラウマ化した出来事も)。

私は中国に来てから50后、60后、70后……と仕事で接触してきました。それぞれ世代の違いを感じることはありますし、同じ世代でもいろんな個性の人がいます。自分でも、人の多様性についてはかなり免疫や耐性がついたと思っていました。ところが95后になって、過去にない戸惑いや想定外に遭う機会が明らかに増えました。

これは、感覚的なものですし、何でも世代の違いで考えればいいという話でもありません。ただ、若手の採用を経営の重要課題に据える経営者の一人として、私は「95后」の特性、自分の感覚を当てはめて判断してはいけないという直観を重視しています。実際、それを踏まえて自社の人の採り方や採用基準も変えました。

2021.02 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。