コラム

五十肩と現地管理の克服法は同じ?

2023年07月15日
日本流が通用しない時代の組織経営

前回に続き、私の五十肩ねた。相変わらず日常生活で痛みを感じるトホホな状態ですが、ここ数週間、痛みの鋭さが落ちてきました。以前は寝返りでうっかり左側を下にすると痛みで目が覚める、どんなに注意していても服を脱ぐときに激痛が走る……という日々だったのに、いまはどちらも鈍痛程度になっています。

整体師さんにケアしてもらっていることも効いているはず。でも、一番の原因はたぶん「アイシング」です。氷を袋に詰めて、痛みのある箇所を15分ほど冷やすあれ。

実は半年くらい前から整体師さんには「やった方がいいですよ」と言われていました。ただ、正直言って「面倒くさい」(笑)。まず氷を作っておかないといけない。できた氷を袋に詰めて痛いところに置く。寒い季節は考えるだけで震えちゃいます。その姿勢をキープして15分。それを毎日繰り返す。以前、整体院に通って腰を診てもらっていたころは、行く度にアイシングもされていましたから、効果はあるんだろうなと頭では理解していました。でも面倒くささの方が強い。それで何か月も放置していました。

転機は、痛みがどんどん強くなった時期に整体師さんから言われた言葉でした。「痛みが強いと、そこを動かさなくなるので、だんだん周辺の腱や筋肉が伸びなくなる。放っておくとそのまま固まって可動域が限定される。すでにその兆候もある。それを避けるためには肩を動かして可動域を広げる必要がある。なかなかアイシングが難しいようなら、痛み止めを飲んで少しずつ動かした方がいい。市販薬程度の成分量なら、副作用もあまり心配しなくていいので、毎日服用しても大丈夫」。

これを聞いて、私には三択しかないと理解しました。①アイシングして肩を動かす、②痛み止めを飲んで肩を動かす、③どちらもせず肩の可動域減少を受け入れる。私の場合、この三択なら結論は即座に出ます。将来への影響が一番少なそうなのは①。代償は面倒くささ(と水代と電気代)だけ。

この日からアイシングを始めました。習慣化するとハードルはどんどん下がっていきます。アイシングを続けて痛みの緩和も実感するようになったら、恐怖(動かさないと肩が上がらなくなる)だけでなく、心地よさ(痛みが減ってきた♪)もある。ここまで来ると、続ける意欲が面倒を圧倒します。

 

この話、実は現地の組織・労務・人事管理でも同じだと思います。本当はやった方がいいと分かっていることでも、普通は面倒くささが先に立ち、なかなか手はつけない。ところが、現状維持(現状放置)した場合の未来を認識し、選択肢が明確になると、最初の一步が踏み出せる。踏み出してみると心理的なハードルは下がっていく。一方、実行したことに手応えを感じはじめると、もう元には戻らない。改革や挑戦は加速します。

現状維持の未来を直視したいが、自分だけだとそれさえも先送りしてしまうという方は、私にお声がけください〜♪

2022.05 Jin誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。