コラム

04. 応該没問題…「適当」な常套句

2019年03月05日
人事労務は海外経営の基礎

今回は前回の逆で、よく言われがちな言葉=「応該没問題(インガイメイウェンティ)」について。

直訳すれば「大丈夫なはず」または「大丈夫だと思う」。進捗や抜け漏れがないかを確認した際、返ってくることが多い超頻出表現ですが、同時に、要注意ワードです。

大丈夫なはずと聞くと、皆さんも「はず」って何よ、と引っかかりますよね。この引っかかりはよく当たって、最後の最後になって「まだできていません」とか「部下には指示したんですが」などと言ってきます(着手さえしていない猛者も少なからず)。あの自信に満ちた「大丈夫」はどこから出てきたのか……。

ただ、応該没問題は、思考ゼロで脊髄反射のように使う人だけでなく、ちゃんと考えた上で使う人もいます。つまり応該没問題には、テキトーな場合も、文字通り適当・適切な場合も混じっています。

では、どう見極めて対応するかですが、「応該没問題」と言われた際に確認の突っ込みを入れます。

例:「来週火曜の会議資料、大丈夫?」→「応該没問題!」→「依頼したのが一週間前。進捗情況は」→「いまやってます」→「ざっと何割ぐらい完了したの。品管に分析データを依頼済みだと思うけど、明日あたり上がって来るの?」→「……」(この場で事実を吐かせて計画再設定)または「明後日の予定です。ただ直近二年の分は先にもらったので、それを使って図表のベースはpptに落とし込みました」(任せたよ♪)。

思考ゼロで「応該没問題」と反射的に答える部下は、撲滅しなければなりません。具体的なことを突っ込んで確認していってください。

2018.07 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。