コラム

時代変化に適応する駐在員…いろいろな清潔感

2019年10月15日
日本流が通用しない時代の組織経営

弊社では社員の誕生日会を開きます。業務との兼ね合いもあるので、誕生日の近いメンバー何人かを一緒にして年に三〜四回。毎回、祝う側のメンバーから責任者と担当者を決めて企画・実施します。

オーソドックスなのは、オフィスの会議室でメッセージとプレゼントを贈り、ちょっとしたゲームやアクティビティに興じ、ケーキのろうそくを吹き消して、一緒に食事をする。食事はケータリングや宅配もあれば、外へ食べに行くこともあります。誕生日会を実施されている場合、皆さんの会社でもこんな感じではないでしょうか。

こんな弊社の誕生日会に最近は変化が生じてきました。ホームパーティ用のスペースを借り切ってやるスタイルです。これまでの活動内容は踏襲しつつ、食事から先がちょっと変わりました。これまではオフィスでもレストランでも、食事をしてしばらく談笑したら締めて解散。オフィスなら片付けがありますし、レストランもだいたいの潮時というものがあります。

ところが、ホームパーティのスペースだと、片付けの必要がない。他の客もいない。何人かで遊べるものが備えられている(カラオケ・ダーツ・テレビゲーム・ビリヤードなど)。スペースも広々として余裕があるので、それぞれリラックスして、何人かで遊んだり飲んだりできます。今回は、サプライズで当人の家族を呼んでいましたが(来場の難しい皆さんはビデオレター出演)、子連れでも気兼ねなく遊べる空間なので、大人も子供も楽しんでいました。私は社員に声を掛けられて久しぶりの天津麻雀に参戦。七十后の私が八十后・九十后の社員と雀卓を囲むなんて、本当にしみじみするものがありました。なお、ここで賭けられたのが「小島にその晩、どの案件の作業を優先させるか(小島が勝てばサボる)」だったのは、ウチの会社らしいというか何というか、人使いの荒い連中です……。

今回は、新任駐在員が社内で親近感を持たれるための工夫の最後、「清潔感を持つ」です。

身なりも言動も田舎丸出しにならない

清潔感の問題は日本でも同じでしょう。髪型や服装はもちろん、最近はスメハラ(臭いによる嫌がらせ)に対しても見方が厳しくなっていますよね。私も他人事ではなく、社員からどう見られているのか、気をつけなければと思う日々です。なかなか面と向かって言ってくれない問題だけに、自分で意識を持ちつつ、家族など辛辣に言ってくれる人のチェックを受けておかないと危険です。

私が現地で見ていて気になるのは、「快適さばかり優先しすぎ」と「身なりはおしゃれだけれど、言動が残念」あたり。前者は男性のサンダル履きや防寒着が危険ポイント。快適だとは思うのですが、昭和のトラベルミステリーのドラマで出てきそうな装いは、すっきり感・できる上司感がないだけでなく、十歳以上は老けて見えます。後者は心理的ギャップがマイナスに働いて、普通の人以上に残念感が強まってしまうため、ご注意を。基本、日本や北欧だったらやらないことは、アジアでもやらないのが無難です。

親近感を持たれるための工夫編、今日から実行できることばかりなので、試してみてくださいね。

●駐在員が求められる役割を発揮するために必要なこと
①脱落しない
②バカにされない
③親近感を持たれる
④信頼・尊敬される
⑤後任者にしっかりつなぐ

●親近感を持たれる工夫
□毎日こちらから声をかける
□中国語読みで名前を呼ぶ
□カジュアルな店で食事会
□ときどきおごられる
□部下に相談する
□人によって態度を変えない
□仕事には厳しいが横柄ではない
□身なりも言動も清潔感

2019.08 Jin誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。