コラム

【広東・上海版】01.はじめましてのご挨拶 あと半年で倒産からはじまった私の経営

2022年03月10日
人事労務は海外経営の基礎

今号からコラムをお送りする小島です。広東の皆さん、はじめまして。Wheneverさんとは2007年から10年間、天津版で連載したのが端緒。休刊に伴いBiz CHINA誌へ移り、さらに広州版・上海版で書くことになりました。縁あってちょうど15年目です。

少し自己紹介すると、私は2004年に前準備ほぼゼロの状態で中国にやってきました。当時、日本で経営コンサルタントをしていた私は、自分の仕事の価値に疑問を持ち、自ら企業経営をしてみる以外にこの疑問は解消できないと思い詰めていました。といったって30歳の若造にそんな仕事が降ってくるわけもない。

……はずなんですが、昔の上司から「政府系との小さな合弁会社を建て直してくれんか」と声をかけられ、雇われ経営者として渡中することになりました。現地に来てフタを開けたら、年間売上(月間ではない)が2万元、あと半年で資金が尽きる状態でした。

こんな事態で、経営コンサルの感覚で描いて持って

いったビジョンや事業プランなど鼻クソ同然。全部ゴミ箱に突っ込んで、とにかく半年の命をどう延ばすかの死闘がはじまりました。最初の仕事が人生初めての首切り(しかも合弁先から出向していた幹部)になるとは、夢にも思っていませんでした。

以来17年。大波小波に遭いましたが、運と縁にも恵まれて現在も事業を営んでいます。合弁法人は私の独資法人に姿を変え、日本側にも会社を設立しました。

手がけてきたのは「多文化混成の組織づくり」。チームと一丸になって挑戦・成長・貢献する人が正当に報われ、それを無視・冷笑・非難する人には船から下りてもらう。根や石を除き、土を耕し、水を引くような仕事です。ストライキや問題社員と向き合い、夜逃げしかないと追い詰められた経営者を助けてこれまでやってきました。

そんな自社と他社支援の実体験を踏まえて、新しい時代の組織経営を考えていきたいと思います。

2021.05 Whenever広東、Whenever上海誌

 

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。