コラム

15. 赴任早々、ベテラン部下と戦争しない

2019年08月14日
人事労務は海外経営の基礎

いま駐在している皆さんの仕事は、恐らく10年前、20年前よりも難度が上がっています。生活やコミュニケーションのハードルを考えたら、日系コンビニもスマートフォン決済もWeChatの自動翻訳もなかった20年前の方が大変だったでしょうが、当時の現地法人はまだ若く、高度経済成長の熱気がありました。

現在の駐在が難しい理由の一つが、ベテラン部下・年上部下の存在。日本でも、異動で着任した新天地に年上の部下がいたら気を遣うでしょうし、仕事がやりにくい面も正直あるはず。なかなか難しい課題です。

そして毎年、ここで地雷を踏む方が出てきます。赴任する方が、「年下だからと舐められないよう、毅然とした態度で臨まねば」などと気合いを入れて着任すると、実は相手も臨戦態勢で待ち構えているからです。「今度来る統括部長って40歳だろ。俺より年下だよな。これまで役職は? 担当課長か。部下評価もしたことないんじゃないの。なんだ、また俺たちが一からレクチャーしなきゃならんのかよ」

来たばかりの年下上司と、長年現地でリーダー格を務めてきた年上部下。ボスの座争いをはじめたら、どちらが勝つかは明らかです。下手をすると部下たちから総スカンを受け、何もできないまま失意の任期が終わりかねません。

もちろん、どこかで旧弊に決着をつけなければならない局面が出てくるかもしれませんが、少なくとも赴任直後はこちらに不利。まずは最低3か月〜半年、しっかり観察します。

2019.06 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。