コラム

18. ベテラン部下との付き合い方 ①

2019年10月08日
人事労務は海外経営の基礎

これまで「赴任したら3か月はじっと観察」、「赴任早々ベテラン部下と戦争しない」、「経験の交差を理解しておく」といった話をしました。では、ややこしそうなベテラン部下との付き合い方を考えてみましょう。

まず重要なのは、皆さんの仕事や部下たちとの関係づくりを阻害させないこと。このためには、敵対関係を避けるだけでなく、「バカにされない」というのもポイントです。

ただ、この二つは両立が大変。挑発的言動や問題行動を取る部下に対し、ダイレクトに指摘や注意を与えると対立が深まる。かといって、見て見ぬふりをしたり、妙に気を遣った対応をしたりすると、舐められたりバカにされたりする。

両立する方法の一つは、「基本的に丁寧な対応をしつつ、純粋な質問の形で牽制球を投げる」こと。気になる仕事のやり方があったら、どうしてそのやり方をしているのか聞く。自分が経験してきた他の拠点とはやり方が違うけれど、いつごろからこのやり方をしているのか?と聞く。自分は現地事情がまだ分かっていないので素人な疑問かもしれないけれど、どうしてこういう風にやらないの?と聞く。聞き方はあくまで丁寧に、穏やかに。

たぶん、納得できる回答はないでしょうが、そこから詰問したり追い詰めたりしないのもコツ。その代わりこちらも「あ、そうなんだ」ぐらいに留め、相手の話に説得されたかどうかは見せません。

この方法であれば、年上の部下に対しても使用できます。

2019.09 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。