コラム

リバウンドしない片付けの要諦に学ぶ

2022年04月22日
日本流が通用しない時代の組織経営

この夏は、私にとって「徹底片付けシーズン」でした。最初は何年も手つかずの倉庫スペースを攻略するだけのつもりだったんですが……。いったん倉庫からすべての物を引っ張り出し大量処分。捨てるに忍びない不要品はリサイクルショップへ(リサイクルショップへ物を持っていったのは初めてでしたが、あっという間に査定・買取が済むんですね。びっくりしました。調子に乗って何回か持っていっちゃいました)。これで、「テトリス」状態に物をぎゅうぎゅう詰め込んでいた倉庫がすっきり。弾みがついたので、押入や子供のおもちゃから衣類まで、どんどんスペースを空にして仕分け・整理を進めました。

物をぎっしり詰めていると、奥の方は見えないし、一つや二つ引っ張り出そうとすると山が崩れるので、結局、中途半端には手を出せなくなりますよね。だから、今回は全部引っ張り出して空にするところからスタート。あと、絶対に大ナタを振るう、戻す際には物を大きく減らすと決めてからやりました。

自己分析すると、私は「物持ちがいい」タイプ。加えて「収納が得意」なタイプでもあります。これが重なるとどうなるか。収納が得意なので、同じスペースでも限界まで収納量を上げることができる。そして、簡単には物を傷めないので、古くなって使用頻度の低い物までしっかり取ってある。結果、もう何年も着ていない服(物がいいので取ってあるが、恐らくこの五年内に着る機会はない)や、念のために取ってあった機器の備品・ケーブル類、果てはもしかしたら使うかもしれない購入時の梱包までスペースを占有しているという事態になります。

今回は、これらも全部処分しました。見切りの基準は

□何かあった時のために取っておいたものは処分
□気に入っているが、次の二年も使わないであろうものは処分
□後で必要なものだったと発見しても買い直せるものは処分
□捨てようか取っておこうか迷ったものは処分

……ということで、バッサバッサと処分しました。最初に「迷ったら捨てる、迷わなくても捨てる」と決めてからやると、モードが切り替わるのか、すごく減らせます。倉庫も押入もクローゼットも、十分余裕があるのを見ると爽快で、すっきり感が半端ない♪ それに収納の死角・ブラックボックスがないので、何かを探したくても面倒でやめる、どこにも見当たらないという事態が解消できます。

片付けを終えてから目にした記事によると、片付けリバウンドを避けるコツとして「家中の全収納スペースを一気に片付けること」があるそうです。でないと物が別の収納スペースに移動するだけだから。これは、私が今回痛感したポイント=「物の絶対量を減らす(余裕のある量しか収納しない)」と重なる観点だと思います。

さて、今回の片付けの話、ここまで読んでタイトルと関係ないやん……とお感じの皆さん、お待たせしました。この話、「リバウンドしないためには」という点でつながります。

現地法人で大ナタを振るった後、どうやって組織のよい状態を継続するか。片付けの要諦を当てはめてみましょう。

①どうせ改革を行うなら、全社で例外なく一気に行う。目についた部署だけ手を突っ込んだり、アンタッチャブルエリア・例外をつくったりしない。

大ナタを振るった際、社内のブラックボックスも潰す。取引先の選定・取引契約・金の流れ・決裁フローなど、これまで曖昧・適当に行ってきたことをルール化し、ルール違反が一目瞭然となるようにする。

組織の改革にもリバウンドしにくいやり方、仕掛けがありそうです。今回は片付けに学びましたが、ダイエットなんかも参考になることがありそうですね。モグラ叩きを卒業するため、リバウンド回避の方法を考えてみましょう。

2021.09 Jin誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。