コラム

21.人材獲得競争に落伍する時代が来る ②

2019年11月26日
人事労務は海外経営の基礎

中国でも恒常的な採用難の時代を迎えます。人手不足倒産が生じるほど人材獲得が重大な経営課題になっている日本と同じような危機感で取り組まないと、数年後には深刻な情況に陥るかもしれません。

前回は、採用難が恒常的な問題だと考える理由として、少子化の影響を挙げました。二つ目の理由は「ギグワーカーの増大」。ギグワーカーとはプロジェクトやオーダー単位で都度仕事を請け負うスタイルのワーカー。滴滴のドライバーや餓了麽の配送員、個人で仕事を受けるデザイナーやプログラマーなどがそうです。

直接のデータではありませんが、関連する統計を見ていると、現在中国では8000万人近い労働者がこれに近い形で就業しているようです。ここからラフに推計すると、

・総人口:14億人(2018年)
・20〜59歳:8.5億人(61.0%)
・20〜34歳:3.3億人(23.5%)

労働者数=20〜59歳人口ではないものの、ざっと就労年齢層の10%ぐらいをギグワーカーが占めている可能性があります。若年層ほどこのようなスタイルで就業していると考えると、今後10〜15%(もしかしたらもっと)の若手人材は、日系企業が採用対象とする人材市場にそもそも出てこないということになります。ギグエコノミーは大都市に限らず拡大しているため、日系企業の所在都市に出てくる若年求職者の数にも影響を与えていそうです。

ギグワーカーの増大による影響はまだあります。次回続けます。

2019.12 BizChina誌

この記事を書いた人

小島 庄司Shoji Kojima

多文化混成組織の支援家、Dao and Crew 船長。
事業環境のシビアさでは「世界最高峰」と言われる中国で、日系企業のリスク管理や解決困難な問題対応を 15 年以上手がけ、現地で「野戦病院」「駆け込み寺」と称される。国籍・言葉・個性のバラバラなメンバーが集まるチームは強いし楽しい!を国内外で伝える日々。